2006年5月21日(日)08:44

ユンケル首相はEU憲法策定の際の大きな誤りを認める

ケルン(AP)

ルクセンブルクのジャンクロード・ユンケル首相はEU憲法策定の際の重大な誤りを認めた。市民は欧州合衆国を望んでいなかったのだ。「私たちは不用意な文言で、大EU建設のブルドーザーがやってきて国民国家に関するものを何もかも押しつぶして行くという市民の感情を挑発してしまったのだ」。EUの基本条約だけで事足りたのだ、と首相は日曜日ドイチュラント放送Deutschlandfunkに語った。

ユンケル首相の見解では、憲法という概念は国民国家が徐々に消滅するという疑念を育むものだという。「私たちは用語の選択で許されがたい誤りを犯した」。私も欧州市民だけでなく、ルクセンブルク国民でもありたいと思う、と首相は述べた。

保守に属するユンケル首相は、1980年代には政治は欧州国民の希望より遅いという印象を与えていたが、現在はこれが逆転している、と述べた。EUは危機に陥っている。それは市民の半分が一層の欧州統合を望む一方、半分はもう統合にうんざりしているからだ。EUは羅針盤を失った。「それは人々が幾分将来を考えなくなったからである。」

1995年からルクセンブルクの首相を務めるユンケル首相は、もっとも際立った欧州統合政治家の一人と見られている。ユンケル首相はキリスト昇天の祝日にアーヘン市のシャルルマーニュ賞(カール大帝賞)*を授与される予定である。

原題:Juncker raeumt schwere Fehler bei EU-Verfassung ein

*訳注:アーヘン市のシャルルマーニュ賞は欧州統合に功績のあった政治家に贈られる。




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